みんみんのメモ帳

理系の男子大学生みんみんの日記です。日々感じたことや学んだこと、そして専門の物理学に関して書いていけたらなと思います。

阪大院試受験物語 3:物理学の対策 (熱・統計力学編)

みなさんこんにちは。みんみんです。いつも拙いブログを読んでいただきありがとうございます。

 

さて、前回の記事では電磁気学の対策を書きました。

ryomm-physiclife.hatenablog.com

 

今回は最も得点源にしやすい(と私が考えている)「熱・統計力学」に関して書きたいと思います。先に教訓を1つ、”熱力学をナメると痛い目に遭うゾ。”

 

3ー1 熱・統計力学の対策

 

多くの物理学科では1年時に熱力学を、2〜3年次に統計力学を学ぶと思います。私の大学では2年時に熱力学1コマ(2単位)、3年時に集中講義で統計力学1コマ(2単位)を履修しました。力学・電磁気学の例に漏れず、圧倒的演習不足でした。私は熱力学を2年になってから授業と並行して勉強を始めました。初めに読んだのはフェルミ熱力学です。

 

フェルミ熱力学

フェルミ熱力学

 

 昔から定番と言われている本の一つです。この本が授業の参考文献になっていたこともあり、かなり読み込みました。大学の熱力学で新たに出てくる熱力学ポテンシャルという概念もこの本で一通り学びました。後に挙げる田崎先生の「熱力学」や清水先生の「熱力学の基礎」(数学的に厳密でやや高度な印象です)等で学ぶのもいいでしょう。本屋で自分に合うものを選べばいいと思います。私が選んだフェルミは演習が心許ないので困った時のマセマで補いました。 

スバラシク実力がつくと評判の演習熱力学キャンパス・ゼミ

スバラシク実力がつくと評判の演習熱力学キャンパス・ゼミ

 

マセマ熱力学演習を一通りやれば偏微分の扱いやルジャンドル変換には慣れると思います。統計力学でも熱力学は度々登場しますし、その時に復習すればいいと考えたのでここではあまり力を入れませんでした。(これが後にに自分の首を絞めることになるとは。。。)

 

3年になり、統計力学を本格的に学ぶにあたってまずこの本を読みました。

 

統計力学 (講談社基礎物理学シリーズ)

統計力学 (講談社基礎物理学シリーズ)

 講談社基礎物理学シリーズの統計力学です。電磁気学でも同じシリーズを紹介したのですが、統計力学も非常に良い本です。古典統計に加えて量子統計、更にはイジングモデルや平均場近似といった少し高度な内容も取り扱っており、1冊で平衡系統計力学の土台を作ることができます。私は熱力学をおろそかにしていたので式変形に躓いたところも多かったのです が、普通に熱力学をやっていればスムーズに読めます(笑)。この本の章末問題に加えて、

サイエンス社(数理工学社)演習本をすれば基礎は完璧になると思います。しかし、この演習書は(個人的な体感的に)ややレベルが低いので後に紹介する「久保熱」で適宜補いました。

 

さて、院試ブログ等でしばしば「熱・統計力学」といえば....というノリで取り上げられる定番本があります。

 

まずは学習院大学の田崎先生が書かれている熱力学、統計力学Ⅰ・Ⅱ(培風館)です。

 

熱力学―現代的な視点から (新物理学シリーズ)

熱力学―現代的な視点から (新物理学シリーズ)

 
統計力学〈1〉 (新物理学シリーズ)

統計力学〈1〉 (新物理学シリーズ)

 
統計力学〈2〉 (新物理学シリーズ)

統計力学〈2〉 (新物理学シリーズ)

 

初学者が一人でこれを読み進めるのは少ししんどいのではないかと個人的には思います。私自身独学であったこともあり、時間が足らずこれらの本はあまり読めていませんが、ミクロカノニカル、カノニカル、グランドカノニカルの等価性に関する議論には眼を見張るものがありました。教科書を読んでいて気になったところをチェックしてみると良いと思います。更に、演習本として

大学演習 熱学・統計力学

大学演習 熱学・統計力学

 

通称「久保熱」こと「大学演習 熱学・統計力学」も院試勢には馴染み深いのではないでしょうか。この本を一人で最初から最後までやり切るのは院試のレベルから考えても明らかにオーバーワークです。しかし、院試でこの本から出題されるようなテーマも多く、網羅性は既存の演習書の中でトップクラスです。院試問題を数年分解いていくうちに問題の傾向が見えてくると思います。その上でこの「久保熱」から院試出でそうな問題や重要な考え方をピックアップしてみると良いでしょう。手元に一冊あると心強い味方となること間違いありません。熱力学も収録されているので、気になるところはやっておきましょう。もし勉強仲間がいるのであればゼミ形式で演習するのもいいかもしれません。

 

これらの本に加えて、過去問を15年分ほど周回すれば大コケしない限り熱・統計力学は安定した得点を望めると思います。

 

阪大院試では数年に一度の周期で熱力学が出題されます。私自身、本年度の入試で問題を開いた時にカルノーサイクルが目に飛び込んできて度肝を抜かれました。加えて言いますが、熱力学もほどほどに復習しておくことをお勧めします。

 

さて、次回は院試受験生の宿敵「量子力学」について書こうと思います。ではまた。